ヘイワースによる伝記を読むと、やはり58年の大やけどの後、演奏が
変わってしまったという印象を受けます。それ以前の演奏会評では、
批判される時には「テンポが速すぎる」「柔らかさや暖かさに欠ける」
といったものが多いのですが、大やけどの後の演奏会について批判される
時には「活気がない」「鈍い」といったものになってきます。
しかも、やけどから復帰した後の最初の録音は、あのゆっくりしたステレオ
再録音の運命とエロイカなのです。その他の復帰直後の録音には、名盤と
されるスコットランドや、どうも気乗りしていないように思えるブル7
などがありますが、全般にスピード感が失せた演奏が多いのは確かです。

また、50年代初頭から中頃にかけてにクレンペラーがヨーロッパで
名声を再構築していく過程で十八番の曲としていたのがエロイカだった
ようです。
テスタメントのエロイカのライヴは、それを実に彷彿とさせます。
生気漲るいい演奏ですね、あれは!