吉田氏の本は私も読んでいます。賛成する部分とそうでない部分があります。
吉田氏は、ベームは名曲になればなるほどものたりない、という書き方だったと思います。
私が見るところ、いわゆる名曲を振った場合、
大変充実した名演になる場合(たとえばジュピターやブラームス1番など)や
あれっというほどあっさりした演奏になる場合があります。
後者の典型は前にも出た、VPOとの運命の第一楽章があげられます。
これは、スタジオ録音だからチンタラやっているわけではなさそうで、
海賊盤で聴ける2つのライブ録音でも同じようにやっています。フルトベングラーなどと
比べると物足りなく思う人が多いと思いますが、ベームにとってはこの曲は
あくまでも「交響曲第5番ハ短調」なのだと思います。