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湯浅の『オーケストラの時の時』は、第1部のみが2年前に完成され、すでに
「湯浅譲二・作品集成」というレコード集におさめられている。第1部のみを
レコードで聴いた時はその音楽的意味をうまく理解できなかったが、しかし今回、
動=静=動という3つの部分からなる全曲を聴くと、湯浅独特の音楽の世界が
はっきりみえ、この作品が『クロノプラスチック』に続く力作であることがわかる。
第1部のトランペットやホルンの音響の渦は、第2部の弦楽器群の静かな音の波に
かわり、多くノパートに分割された弦楽器群が、「ねじれたクラスター」を利用
しながら、微妙な音の波と曲線を作り出す。この静的でしかも多用な表現の世界は
クセナキスにもペンデレツキにもない、湯浅独自のものと評価できる。
ギーレンの鋭い演奏スタイルは、湯浅の音楽の特質をみごとに捉えていたが、
次のシェーンベルクの『変奏曲』でもその耳はいっそうの冴えを示していた。
船山 隆 (1977年4月23日・東京NHKホール)

↑NHKにテープが眠っている筈。この時のシェーンベルクは最近CD化されたんだから、
湯浅も出して欲しい。