心からほとばしり出る言葉による「イェヌーファ」
ーこの婦人はロルカの地からの貸し出され生身の特別展示ではないー
ウルリッヒ・ワインツィール

(ウィーン)アグネス・バルツァはたしかに孫殺したる教会の雑用係にふさわし
い黒装飾に身を包んでいるが、母権制の化石のごとき怪物では全く無い。彼女
はその燃え上がる情熱の下、孫殺しの過ちを、恥辱におののく愛すべきイェヌ
ーファの救済と解釈した。なぜヤナーチェクの代表作が当初は「彼女の養女」
と題されたのか、今公演ほど明確に認識させられることはめったにない。
事実、ウィーン国立歌劇場における今公演では、輝かしいほどにまで陰鬱な教
会の雑用係ブリヤの存在が中心に置かれていた。
この役割に初めて挑んだバルツァは、この役における新たな規範を打ち立てた。
しかし、それではアンジェラ・デノーケのタイトルロールにおける業績が霞ん
でしまったかというと、勿論そんなことはない。
彼女は心からほとばしり出る母国語で、甘美さと絶望を湛えて歌い上げた。
イェヌーファに当初は拒絶され、最後には求愛を応じさせた、彼女の崇拝者で
あるラツァの役は、ヨルマ・シルヴァストリがすばらしく、堂々と演じきった
ー誠実な無骨物、ナイフを持つにはあまりにしまりが無い男。
愛ゆえに、彼は嫉妬にとらわれ、愛する人を傷つけた。