結局、朝比奈の人生は京大オケより上手いオケを探すためだけの人生だった。
人生の晩年に、シカゴまで出かけたものの、結局、母校のオケよりも上手いオケは
見つからなかった。その長い人生は、京大オケより上手いオケはあるのか、という、
たった一つの命題のために、捧げられた。彼が、90歳を超えて指揮をしていたのは、
その命題に対する執念のみに起因する。彼は死ぬまで探しつづけた。
が、しかし、京大オケを超えるオケは結局ないのだ。

そのことに気が付いたとき、朝比奈は天に召されたのだった。