月並みですが、「すごい!」の一言。
2年前の読響ではちょっと退屈になるくらいゆったりとした
テンポで弾いたんですが、今回も似たようなテンポながら、自在に
時間を操る技を加えたというのか、とにかく意味のないフレーズや、
弾き崩す瞬間がまるでない。一点一画をおろそかにしないという、その意味では
楷書の弾き方なんですが、息の長いフレーズの中のアクセントの置き方、
ビブラートのかけ方、緩急、強弱、どれひとつとっても緊張が緩むことが
なかったですね。カデンツァのちょっと対位法的な部分も、やたらと
気負い込んで弾くわけではないんですが、各声部が有機的に
浮き上がって聞こえてくる。

エンディングの一音が鳴った瞬間に絶妙のタイミングでP席からブラーボー。
なんか、オケのメンバーも客席も魔法にかけられたような40分だった
でしょうか。