作曲家、演奏家という存在は、自らの意思ではなく神から与えられた天分により、
曲を作り、それに命を吹き込むという、言わば「神の道化」としての役割を与えら
れている。
それは、大多数の人々にとっては何の意味も持たないが、クラヲタという人々に
よってのみ理解され、初めて意味ある存在となる。
芸術の中で最も抽象的である音楽は、神と作曲家・演奏家とクラヲタとによって、
この世で最も崇高な、形而上的な存在となるのである。
クラヲタと呼ばれる人々は、形而下に於いては、容貌にも、それを補うべきセンス
にも、理解してくれる伴侶にも恵まれないかもしれないが、神により選ばれた存在
としての誇りを持たねばならない。
魂が満たされるということは、何にも増して幸福な事なのだ。