BPOが世界最高のオケになれたのは、全てカラヤンのおかげだ。
ドイツの田舎オケにしかすぎなかったBPOからフルトヴェングラーの影響を拭い去り、
インターナショナルに通用する美しさとドイツ的伝統を併せ持つ響きを創造したのは
不世出の大指揮者カラヤン一人の偉大な功績なのである。

それだけにカラヤンを失って以降のこのオケの凋落振りは甚だしい。
このオケがアバドをカラヤンの後任として選んだことは、
誰から見ても目を覆わんばかりの大失敗であったことは明らかだ。
最近のベートーヴェンやワーグナーの空虚としか形容できない響きは、
どうしようもなく無能な指揮者がもたらした無残な結果以外の何物でもなく、
かつての美しさの限りの豊麗さと作曲家の真の思いの全てを表現した響きを
知る者にとっては、犯罪行為にも等しい悪行といえよう。
これほどオケがダメになった例は歴史的に見ても他に類がなく、
世界遺産を次々と破壊したタリバーン政権以上の汚点として記憶されるべきである。

一日も早くアバドがいなくなることを願うばかりだが、後任がラトルでは、
バレンボイム率いるベルリン国立歌劇場にすら追いつけそうにない。
ライヴァルのVPOも小澤の国立歌劇場音楽監督就任で醜くなる一方であり、
当分ムーティ率いるスカラ座の天下が続くことに加えて、
今後は天才マゼールを迎えるニューヨークが台風の目となりそうだ。

もはやBPOは、その存在すら無用である。