ニューイヤーコンサート2002 〜Part2〜
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0862ゲアハート・クラーマー(偽)
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なにしろ、この力量あるウィーン歌劇場音楽総監督は、今までも散々オペラの指
揮台で踊って見せてきているので、小沢とウィーンの軽音楽との相性よさは、ま
あ分っていた。しかし、この生命力の爆発、頂点にまで上がる花火、ウィーン独
特の音楽のノリを産み出した血の濃さまでは、誰も予測できなかったと思われ。
実は、小沢の振りは夢遊病者みたいに不確かだ。このおかげで、弦楽器の上げ弓
は宙に漂い、アウフタクトはゆっくりと忍び込み、リタルダンドは幽か・アッチェ
ランドはうねる、経過部は一寸急ぎ足に、といった具合で、要するに「ウィーン
で産湯を使った」者にしか分らない正統ウィーン訛りで、小沢は通した。
小沢風は「ウィーン風」に止まらない。
心に滲み入る繊細な弦のフレーズ、木管の音色のきらめき、割り込む金管のファ
ンファーレ、どれもこれも、棒無しで振る小沢に備わった柔軟な間違えようのな
い身体言語が作らせた音楽そのものだ。どのようにして彼が微妙極まりないアゴー
ギグにより正確に且つ思いのままに造作し、紛うこと無き成功に導いたかは、彼
の秘密であって、これこそが最も愛すべき彼の個性である。
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