歌が始まった。彼女は音楽を両手で包み込むと抱きしめて、それから
手を広げてそれを解き放った。彼女はもう震えていなかった。
ただ夢中で聴衆のひとりひとりに自分の心と体を通じて音楽を届けよう
としていた。
そしてそれはは小さな輝きとなって客席に舞い降りて行った。

その夜、そこに居た全ての聴衆は、音楽が自分に確かに何かを
語りかけてくるのをはっきりと感じた。優しく、強く、
その感動が彼らを包み込んだ。

ブラヴォーの歓声のなかで、声楽家は両手を胸の前で組み、
片足を後ろに引く優雅なお辞儀を繰り返しながら、自分は音楽家という
道を選んで本当に良かったと考えていた。

1さん、勝手な想像で色々書いてしまったこと、お許しください。
(汗)
読んでくれた人、長くてごめん。(汗汗)