モーツアルトのオペラは宇野ワールドが入り始めている。曲に対する彼の思い入れが強いだけ
に、ヘンなところにこだわり出すからな。「Pa Pa Pa」は少しづつ加速しないとだめだ(おいお
い楽譜にかいてねーよ!)けど、カラヤン風の加速じゃ人工的で台なし、だからワルター、とか、
完全に主観の世界よ。来世で勝手にやっておくれ、って言いたくなるな。あげる演奏もワルター
のオンパレードになってしまって、こうなっちまうと、ワルターの屁でも有り難がるから、もう
客観的な評は期待できない。ワルターは確かにいい指揮者だけど、宇野がどれだけ先入観をもた
ずに聴いているか怪しいもんだね。また、ワーグナーはクナッパーツブッシュのオンパレードで
しょう。同じ系統の演奏でも、アメ公のレヴァインのバイロイトライヴのパルシファルなんて、
素晴らしい演奏なのに、やつは死んでも勧められないんじゃないの。クナッパーツブッシュのパルシ
ファルは、ホッターのグルネマンツが凄いので、いい演奏なのは間違いないけどね。でも、あん
なに神格化するなよな。気味の悪い信者がまた増えるだろ。
これも声楽と言えば声楽なんで、オペラ以外で一つあげとくと、フルトヴェングラーのルツエ
ルン音楽祭の第9(FURTとかいう番号で出たCD)は名演奏。個人的な思い出を言わせて貰えれば、
ルツエルンのライヴは、子供の時に小遣いで買ったことがあって、音が泥んこで、金をドブにすてた
気分がした。それもあって最近CD化されたこの演奏の音の生々しさは衝撃的ですよ。
バイロイトのライヴより音も合唱も指揮もいいし、デニス・ブレイン率いるホルンセクションは、
時代を超えて最強じゃないかな。たしか、宇野も誉めておったような気もするが定かじゃない。
最後のコーダの狂乱がバイロイトに比べて足りないからだめだ、とか宇野チックな文句を言うやつ
には勧めないけど、フルトヴェングラーの、最も完成度が高く、美しく、音の良い第9と言えばこれ。
バイロイト盤もういらない?いや、実際、そうなんですよ。10年後は定番の位置を入れ代わってい
ると思うね。