ふたりとも’80代後半に台頭してきた北欧・フィンランド勢。
「何もなかった80代」に唯一勢いを感じたのはこの勢力と旧ソ連勢。

サーリアホ
女性作曲家。「新しい単純さ系」の叙情的な作風ですがいわゆる新ロマン主義的
傾向とは違います。あるアンケートで「ケージに対しては好意的に感じる」と
発言していた。FMで解説をしていた近藤譲〜普段あまり主観的感想を述べ
ない〜が、彼女の作品の放送後に、「こうした美しい音楽が生まれる一方で
消えていく美もあるのでは」などと発言していました。彼女を経由させた
武満批判〜彼女の作風は武満よりも前衛を保っているが〜にも聞こえたが、
新しい潮流に対し、近藤もある種の危機感を持っていたように感じました。

ちなみに、近藤はW・リームに対しても、番組中しばしば主観的反応を
示していた。大作「音の記述」に対しては「作曲家自身が、本人の作り出す
音響に酔ってしまっている」と、かなり手厳しかった。

リンドベリ
「新しい複雑さ系」ともくされる。スペクトル学派の一員とも。
作風は、ベリオ、ブーレーズの様に、細かいテクステュアをいく層にも重ねて
重厚で豊穣な音響をつくるタイプ。大作「クラフト」に対してはあの間宮芳雄
すらも絶賛した。