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注目株:2

「真の内容上の革命は、形式の革命抜きではありえない」という言葉
はマヤコフスキーのものだけど、それなら、特殊奏法の常識化という
20世紀の音の革命に相応しい形式を模索したのがラッヘンマンだと言
える。

何も難しいことはなく、楽曲中に特殊奏法で出される音の割合が増え
てくるのなら、その内実を十分に引き出すために、相応しい構成の方
法を考えなくてはならないということ。特殊奏法を「特殊」では無い
かのような頻度で使用して作曲を行うには、当然、問題になってくる
ことなわけだね。

70年代までのラッヘンマンは、まさにそういう仕事をしていましたね。
特に、Kairosから昨年リリースされたギーレン指揮による管弦楽曲集
は、そうしたラッヘンマンの才知の結晶とも言える素晴らしいもの。
ラッヘンマンが用意したオーダーメイドの構造の中で、数々の特殊奏
法が炸裂するとき、それはもはや「特殊」奏法ではない。そうした奏
法を普遍化していく力がラッヘンマンの作品にはあったということ。

80年代においては、既存の形式と自分が暖めてきた形式を競合させる
方向へと動いてくるが、やっぱり特殊奏法で繰り出されるフレーズの
雄弁さが素晴らしい。ノイズを含んだエッジの立ったフレーズが、超
高速で組み合わされて行くことで、既存の対位法という概念を踏破し
ていくかのよう。同じくkairosからリリースされている菅原幸子らに
よる「アレグロ・ソステヌート」の演奏を聴いて見て欲しい。

kairosからリリースされているラッヘンマンのアルバムには素晴らし
いものが本当に多い。この他にも、クラングフォーラム・ウィーンに
よる「2つの感情」等を収めたCDがリリースされていて、それの演奏
も素晴らしい。

とりあえず、この辺がラッヘンマン入門に最適。気に入ったら、弦楽
4重奏曲:「グラン・トルソ」とか、montaigneからリリースされて
いるシリーズとかを聴き漁るのが良いでしょう。