どうしてオネゲルの交響曲第4番「バーゼルの喜び」敬遠されるのだろう。
ペシミストのオネゲルにしては「陽」で健康的な作品なのに。
絶対音楽ではあるけど、曲をアルプスの一日を追った映画を見るような感じで
聴けば、面白いと思う。
オネゲルはアルプスの情景だけをこの曲に描いたわけではないのかもしれんが、
時間の経過と共に、変化する天候の様子までも描き込まれているような感じさえもある。
曇ってきたり、雨がしとしと降ったり、雷が落ちたり。

重いパッサカリア主題で始まる第2楽章のクライマックスでは、それまで天候不順な感じだったのが、
快晴の青空をバックに映えるアルペンの雄大な姿が描かれているよう。キラキラ光る氷河も見えてくる。
また、この楽章全体の筋書きを山登りのように考えても面白い鴨ね。

それから音楽的にみても、いろいろな仕掛けがしてあって楽しい。
例えば第1楽章の稲光が閃くようなシンコペのモチーフでは、
ピアノと管がこのモチーフを2回目にやる部分のコントラバスの動きに
注意すると、まるでジャズのセッションを聴いているような感じさえする。