>音量が不安定。しかも、いろんな方向から聞こえてきます。
お得意のマイク突っ込み録音の成果?です。グルダはベートヴェンを「生きた」音楽
としてプレゼンテートしようと試みているように感じます。「遠く、安定した」もの
になることを意識的に避けようとしていますね。確かに「快適」であるとは思いませ
ん。60年代のフランスのヌーベルバーグの監督(特にゴダール)と方法論的には呼応
するスタイルだと思います。まあ、同世代ですしね。

>何だか、一人で勝手に熱くなっている、という感じ。
これは全くの誤解だと思われます。それはグルダからもっとも遠いスタイルでしょう。
グルダの演奏は常に完全にクールです。それが弱点かと思うくらい。おそらくジャズで
成功しなかったのもそのあたりの問題なのかもしれません。

もし、あなたが「自分の好みの演奏を見つける」のならともかく、「自分にとって未知の
音楽的価値との出会いを求める」のであれば、まあ、せっかくですからポツポツ聴いて
みてください。例えば18番の演奏などいかがでしょう? このスケルッツオを聴くと、
僕など、まさにこれこそベートーヴェンの求めたものに違いない、と説得されてしまい
ます。