ぼくは長年にわたり、ことあるごとに朝比奈隆の音楽を絶賛してきた訳で
あるが、この度の入院は心配だ。もし、満が一のことがあれば・・・。
その時はやはりこのぼくが朝比奈氏の後任としてタクトを握らなければ
ならざるを得ないのかもしれない。朝比奈芸術の本質をだれよりも確実に
捉えているぼくのことであるから、これは選択の余地のない義務であると
いえよう。これでこそ朝比奈が丹精こめてつくりあげてきた大フィルが
生きるのだし、その下地の上にぼくの芸術が花ひらくとなれば、やや
低迷を続ける日本のクラシック界における起爆剤として特筆大書すべき事件となりえる
であろう。我田引水になってしまったが、ぼくは芸術家は謙虚でなければ
ならないと思う。ぼくもいままでどうり、控えめに、謙虚に生きていきたい
と思う。