そんな事より、みんなちょいと聞いとくれよ。
このあいだ御茶の水のディスク・ユニオン行ったんです。ディスク・ユニオン。
そしたら、なんか人がめちゃくちゃいっぱいで、奥の方までは入れないんです。
で、よく見たら垂れ幕みたいな紙が下がってて、新装オープンとか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、中古レコード屋が移転して広くなった如きで来てんじゃねーよ、ボケが。
中古だよ、中古。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人でユニオンか。おめでてーな。
よーし、パパ、クラシック音楽も巨人もファンだから、マーラーの1番と2番買って「巨人」「復活」だぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、500円のCD券やるから、その入荷したての新・中古の段ボールの前を空けろと。
中古レコード屋ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
段ボールに平積みされた中古の掘り出しモノに、同時に指が触れた奴と、いつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと奥の棚に辿り着いたかと思ったら、隣りの奴が、あ、ナクソスが増えたよね、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、ナクソスなんて今日び流行らねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、ナクソスが、だ。
お前は、本当にナクソスが聴きたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、ナクソスって言いたいだけちゃうんかと。
中古レーベル通の俺から言わせてもらえば今、通の間での最新流行はやっぱり
「ル・ヒストリエ」シリーズ。これだね。
デッカの新品+ル・ヒストリエ。これが通の買い方。
ル・ヒストリエってのは、とんでもなくマイナーなフランスもんやロシアもんがヒョイっと入ってる。
ヨーロッパの下手糞なオケで知られざる迷曲探す気があるんなら、これ最強。
ただ、このシリーズ、たまにメジャーな曲の1楽章だけが入ってたりするから、
店員に、全曲入ってないとも知らずに買いやがった、と間違われるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦めできない。
まあ素人衆は、石丸電気の総本店でも行ってなさいってこった。