先日、師匠が逮捕されました。無実の罪です。
官憲が私のところにも来て、事情を聞こうとしました。
そのとき、私は師匠のことを知らない人だ、そんな人は知らない、と言ってしまったんです。
近くにいた女性が、私の訛りを指して、あいつと一緒にいたよ、と言ったときなんかムキに
なって知らないと言い張りました。
ええ、我が身がかわいかったんです。怖かったんです。
でも、そのとき鶏が鳴いたんです。そういえば、師匠は私に鶏が鳴く前に三度、私のことを
知らないと言うだろう、と言ったのを思い出したんです。
もう、胸が張り裂けそうでした。誰も見ていない外へ出て、激しく泣きました。
許してください、私の後悔の涙ゆえに。