今日は、ルーマニアのスペクトル楽派、イアンク・ドゥミトレスクさんを紹介します。
ドゥミトレスクが金属ノイズに傾斜し、自前のハイペリオン・アンサンブルを組織して、その個性も次第に知られつつあります。
紹介する音源は、彼の自主制作レーベルから出した11枚目のCDです。このCDは元々、他のレーベルから出ていたものと同じです。
彼自身とその弟子の作品群ですが、弟子の作風が師からかけ離れているわけではなく、同じような作品が並んでいる感があります。

1.Iancu Dumitrescu Meteors and Pulsars 2 for tape and percussion 大音量のけばけばしいノイズを打楽器が助長する。それほど長くない沈黙と交代する。
2.Ana-Maria Avram Nouvel-axe for strings 特殊奏法を多用し、旋律らしい素材は極力押さえられる。プロポーショナル・ノーテーションのためか、音素材の把握は容易。
3.Curis Cutler Life on Earth for ensemble 曲後半に出現する弦楽器のメロディーがなんとも中途半端。
4.Tim Hodgkinson Black Death Errors in Construction for ensemble and tape テープ部分と生楽器部分の音響が余りに似かより過ぎて、区別が困難。

総論。音色的にダイナミックな性格を持つ曲がほとんどで、テープ音そのものが複雑に構成されていても、その使い方が毎回同じなので、聴取は比較的容易です。普通の音に飽きた人には一聴をお勧めします。
ここのレーベルから16枚も同じような曲が揃っているのかと思うと、ほんの少し考えさせられてしまいます。