'83年ウィーン国立歌劇場、作曲家没後100周年を記念して、マゼールがクプファーと
組んで「大王」を企画した。クプファーは改訂四幕版から「狂乱の場」をカットし、グレーテを
原始少女として構想、醜い現世の愛に汚されていく過程で、凶暴さを身につけ、最後は神罰に
よる黙示録的な幕切れを演出しようとした。ジャンヌ=ダルクの獄中の記録をベースにした
演出だが、ドイツ語版が用いられ、例の「告発の動機」のフーガは完全版が使用される事に。
キャストはグレーテがリゲンツァ、ヘルマンがヴェヒターで、三人の若人はツェドニク、アダム、
モルという布陣、宗教裁判長にはホッターが特別に招かれた。

問題だったのはヨゼフ役で、当初はコロが起用される予定だったが、マゼールの完璧を期した
リハーサルが度重なる延期につながり、最終的にバイラーに変更された。翌年2月14日の
公演は大失敗に終わり、それ以降の上演は中止・・・・

このときの録音がORFに残っていたら、ぜひ発売してほしい。