内田のドビュッシー・エチュードは確かに問題がある。
自分も最初聴いたときはかなり混乱させられたが、あれはあれで説得力が
あるし、好きな演奏だ。
ただし、自分では絶対にあんな風に弾かないし、曲の形を成していないという
指摘もある意味で正しいと思う。

内田があそこで目指したのはドビュッシー本人と同じで、ピアノの音響的効果の
追求だと思う。性急に変わる音色、ペダルの深さ、すべてが瞬間瞬間の音響を
どう聴かせるか、という追求の結果ではないだろうか。
当然、構成感の表現は希薄になり、曲の見通しも悪くなる。それでもいい、と
彼女は考えたのではないか、と自分は推測している。

なお、ドビエチュに関してはビデオが出ており、内田自身がこの曲集について
語りまくってるのでファンは必見。私が思っていたことと違うことを語って
いたりして、演奏者の意図を汲み取る難しさを改めて思い知った。
ちなみにこのビデオに収録されている演奏はCDとは違うもの。