村上:ヘルマン・ベラスコというアルト奏者が『枯葉』を吹いた。ものすごい『枯葉』を吹いた。
「どうしてジャズなんか聞きたがるのかね?」といった顔つきで、吹き終わると、ヘルマンはさっさと帰っていった。
本当にすがすがしい演奏だった。
その後、ホテルの部屋で、マイルスの『枯葉』を聞いてみると、まるで捨て猫が部屋の隅でミャーミャー鳴いているような演奏だった。