恋なんて、もうたくさんだ。
あの歌は、そう歌ってる。
それは、弱い男の歌だと思っていた。

でも、今はこう思う。
もう二度と恋などしない、なんて
心を決められる程の強い気持ちすら、今の僕にはない。

僕は強くなりたい。
せめてあの歌を、うつむかずに聴けるくらいに。


駅のホームで、力一杯手を振る君の笑顔は
死ぬまで僕のものだと思っていた。
だから僕も、思い切り手を振ったんだ。

君が、英語でメールをくれるのは
素直に書くのが照れくさいような台詞のときだった。
だから僕も、一生懸命英語で返事を書いたんだ。

弱気になった僕を励ます君が、怒ってるように感じたときは
僕のそばに一生寄り添っていてくれるつもりなんだ、って思ったんだ。
だから僕も、君が落ち込んでいるときは怒ったんだ。


君の隣で微笑んでる彼は、きっと強い人なんだろう。
結婚したことを知らせる葉書の写真には、そう写ってる。

僕は強くなりたい。
せめてこの葉書を、破り捨てることができるくらいに。