私はパン職人【4店目】
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0040名無しさん@お腹いっぱい。
2006/05/07(日) 11:46:05ID:FPoIQ4igお主、どうやら真剣だな。では、マジレスしよう。
チェーン店はほぼ100%で冷生地使用だ。
但しその店の生地のすべてかどうかは、それぞれの事情だ。
冷生地は邪道ではない、現実だ。
そこで、おぬしは実に良い質問をした。
>冷凍生地を使ってるとこでバイトなりして経験積んだつもりでも
違う店の1から生地を作ってるとこで働く場合、未経験になっちゃいますよね?
成形から前の部分が未経験。
つまり「パン職人として大切な技術は何も知らない」ということになる。
パン屋の就業状況改善などからの要求で、その職人ワザの部分がメーカーの
研究機関に代行された結果、冷生地が一気に発達した。
こうして冷生地の技術は急速に高まった。
しかしである。高まった技術は残念ながら、パンを良くすることではなく、
生地自体の保存性を良くすることに終始している。
そして冷生地は致命的な欠点を解消できていない。
スクラッチを理解している職人であればそれがナンなのか判っている。
それは「パンの風味」だ。
パンの最大の美味さは、その香気にあるとワシは考えている。
冷生地は管理が非常に難しく、またパンのボリュームの点で劣る。
それらを解消するために乳化剤が多量に使われる。
モノグリと総称される、例えば脂肪酸グリセリンエステルなど。
これらの乳化剤が多量に配合されると、パンは決定的にその風味を失う。
メーカーも馬鹿ではないから、そのことに気づいている。
そして、その風味の悪さをカバーするために、手を施す。
乳製品、発酵乳、油脂類、ありとあらゆる副原料を使って、全体として
まとめようとする。
冷生地ではないが、ひとつ例を挙げよう。
昔、山崎のダブルソフトという食パンが爆発的に売れた時代があった。
もちろんスクラッチの全自動ラインで作られたものだが、その「ソフト」さ
が実に秀逸であった。
ソフトさを維持するために乳化剤が使用され、その欠点のカバーと風味を
整えるために代用乳製品が使われていた。
ならばだ、何故今、市場から消えた?
今のホールセールの食パン。
どこにも「ソフト」なんて文字が無い。
なぜ敷島の「超熟」や、山崎自体もダブルソフトにこだわらず「超芳醇」なのか?
敷島は冷生地も作って全国のベーカリーにも販売してる。
その敷島が自社ブランドの食パンは、実は冷生地の解消しがたい欠点をよく理解
していて、その反対を目指すことで成功したわけだ。
パンは香りが命。
生地の熟成に、パンの永遠のテーマがある。
おぬしが将来経営者になるのであれば、さしさわりのないカテゴリーでは
冷生地の使用も検討すればよい。否定はしていない。
しかし、おぬしが真のパン職人になりたいのであれば、オールスクラッチで
修行しなければならんと思うぞ。
まっ、冷生地を使うにあたっても、スクラッチを理解していてはじめて、
冷生地を上手く活用できると言うことだ。
ちなみに俺はオールスクラッチでやってる。
酵母を使わないパイなどは冷凍もあるけどな。
まっ、いろいろ意見は有るところだろうから、ひとつの考え方として
参考になれば幸いだ。
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