当初の宮出は 何も考えていない選手だった……
少なくとも私には そう思えた

「宮出隆自です よろしくお願いします」
(大丈夫か こんな優しそうな子が…)

特にストレートが速い訳でもない
変化球も微妙
身体の細さという点では 他の選手とは比べものにならなかった

案の定 膝を壊した宮出に
投手はとうていムリだと私は言った…選手にはショックな言葉だ

(悔しくないのか…?)

そうではなかった

その日から 黙々と野手転向に向けて練習をする宮出を見て

宮出が何も考えていない選手ではないことに私は気づいた

あいつは 心の奥に秘めた闘志と……

抜群の優しさを持っていた