映画「この世界の片隅に」の片隅の、とある駆逐艦の記憶。 - Togetterまとめ
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じゃむ猫 @jamnekodd 2017-01-21 13:51:48
もう出しても大丈夫かなと。
長くなります。

(1)2001年ごろ
「椎」の乗員だった方からうちのホムペにご連絡を頂いたのは2001年のことで、
松型駆逐艦解説へのご感想だった。
「椎」は第43駆逐隊の6隻の所属艦の1隻なのだが、なぜだかやたら影が薄く、
戦後の書籍では時折編成から落とされているくらい不憫な駆逐艦だった。
この艦のことを書こうと思い、「椎」の話を教えてもらった。
メールや手紙でやりとりさせて頂く中で、椎の乗員は終戦をどう受け止めたかと訊ねた。その方は当時16才。
ほとんど記憶に残ってないが、呉軍港の周囲の山の中腹で焼け残った家の灯り
だけが明瞭に記憶にある、と答えを頂いた。
戦争の終わりを告げていると感じたとも。
非常に印象的な言葉で、とても大切な思い出に思えた私は、家の灯りを
「生活の灯」と表現して椎の解説に加えた。
「ぽつんぽつんとした灯り」椎の乗員の方はこう書いていた。
ここは解説に記さなかった。どんな光景をイメージするかは読者に委ねた。
一方、紙媒体に書いた松型の戦いを解説する記事にはこの光景そのものを書かなかった。大事な記憶を託されたのだから、兵器の解説ではなく人間に焦点が当たるところで
使おう、もっと相応しい出番が訪れるのを待とうと考えた。

(2)2011年〜2013年ごろだったかな?
年月が経ち、片渕監督から新しい映画を作っていること、そこに
あの話を使うつもりだという話を聞いた。
あの話は紙媒体には出していないので、うちのサイトを見て、
かつ記憶に止めてくれたということになる。
どう答えたか覚えていないが、たぶん喜んだと思う。
が、その後に続いて片渕監督が「山に電気が通っていたか」
確認したことを聞かされた。あの話には妥当性があるとのことだった。
こちとら「イイ情景ダナー」で思考停止していた話の裏を取りに行って
いたわけで、研究者・片さんの恐ろしさを思い知った次第である。
その衝撃が大きすぎたおかげで直前の答えを長期記憶に移行でき
なかったのかも知れない。
とにかくにも、私が乗員の方から預かった思い出を、表現のプロが
受け取ってくれたのだ。カットされなければいいなと思いながら
映画の完成を待つことにした。