なんか「君の名は。脚本賞」にファビョッてる手合いがいるけど、
外国映画も一緒にしてのセレクトならともかく、今の日本映画の
中で選ぶなら、君の名はが選ばれても少しも不思議はないだろう。

アカデミー賞の演技賞は身障者の役をやるともらえるとよく言うし、
ミステリの叙述トリックは印象に残りやすい。
テクニカルなものはコンペには勝ちやすいのが普通だろう。

君の名はは後でネタバレ満載と気づくオープニングを別にしても
冒頭から、一見ごく普通のヒロインの起床のように見えて実は
中に入ってしまっている男が驚く…というシーンの中に、平然と
「男が三年前すでにその女に逢っていた記憶とその証拠の組紐」
のシーンを放り込んで、見ている人間の記憶に刷りこんでしまう。

ずっと後のクライマックスで三年前の出会いの話題が出てきても
見ている観客がさして驚かないのは、わけがわからないうちに
映像でデータを刷りこまれてしまっていたから。

その後も間髪いれずドラマの時間が跳び、戻り、走り。文字通り
「ねじれて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり」
とという展開だらけ。