【片淵監督の前作公開時のエピソード】
『マイマイ新子』上映後、そのまま帰るかと思われた高畑さんが、急にこちらへ向きを変えられ、無言でこちらの肩を3回叩いてこられた。
実のところ、これまで高畑さんに少しでも褒め言葉らしいことをもらったのは、『NEMO』の演出助手時代に1度しかなく、
それも「ちょっとわかりかけてきましたね」というごく控えめなものだった。この夜、肩を叩かれたのも、「ちょっとだけわかりかけてきたな。でも、ちょっとだけだぞ」といわれたかのようで、
ああ、でもこれでようやく2度目だな、とありがたく心に沁みた。高畑さんはとても厳しい教師であると思う。