サンキュー、RAD
http://sugoi-japan.jp/sugoi/02.html

――今回、映画の楽曲を担当したRADWIMPSの歌詞の世界が小説にも影響を及ぼしたということですが、具体的にはどういったところでしょう。

新海 「この映画は完成する」と確信できたのは、『なんでもないや』という歌をもらった瞬間でした。
ぼくはこれまで、明確なハッピーエンドの物語を上手につくることができませんでした。
大切なたったひとりに出会うことができたらそれはとても幸せなことだけど、現実には叶わないことが多いから、出会えなかったときのことを描くことが多かったんです。
だから『君の名は。』をハッピーエンドにすることにも、当初、少し戸惑いがあったんですが、
脚本を読んだ(野田)洋次郎さんが紡いでくれた“もう少しだけでいい あと少しだけでいい もう少しだけ くっついていようか”という歌詞を見たとき、
この映画を“出会うことのできる物語”にしていいのだと思うことができました。
 もう少しだけ、あと少しだけ。その言葉には、いつか別離が訪れる可能性も含まれています。
ずっと一緒にはいられないかもしれない、だけどもしかしたら一生一緒にいられるかもしれない。
おそれや期待を内包しながら“もう少しだけ”を積み上げていく、そんな未来だったら信じられるかもしれないと。
映画の先に訪れるあらゆる展開を、この曲の歌詞が示してくれた気がしたんです。
 音楽ってやっぱりすごい、と感じました。メロディとともに言葉が頭の中に住み続けてしまう強さがある。
ぼくには昔から音楽そのものに対する憧れがあるので、同じことはできないかもしれないけれど、音楽に近い表現を生み出したいとはいつも切実に思っています。