京都の舞台挨拶のレポ置いとくね
要約してるので細かいニュアンスの違いなどはご容赦を


入野:今日は京都に来る前に大垣を見て来た。ここに彼らがいたんだなと穏やかで優しい気持ちになった。
山田:一週間ほど大垣に滞在して絵コンテを描いた。
大垣で触れたきれいな景色を再現し、そこで受けたインスピレーションを映画を通じて伝えたいという気持ちが、水の色や涙の色などへのこだわりにつながった。
入野:たぶんみんな気づかなかったと思うけど、永束くんの鼻水ってきれいなクリーム色をしてるんです。(会場どよめき)


山田:今回、京都アニメーションらしさというのはあまり意識していない。将也を描くことに集中した。
京アニで劇場アニメ単体の制作というのは初めての経験(これまではTVシリーズがあったうえでの劇場版という形だった)。
緊張したし、大作・人気作ということでプレッシャーはあった。いつも以上にスタッフ間の意思の疎通に気を配った。


入野:海外旅行から帰ってきてすぐ、締め切りまで時間がないなかオーディション用のテープを録った。母親に死ぬのをやめますと言うところ。
山田:何か水がコポコポする音が入ってましたよね。(入野の部屋の水槽の音とのこと)
入野:役が決まって素直に嬉しかった。同時に原作を映画としてどうまとめるのか不安もあった。でも蓋を開けてみれば、間違いなくいい映画になっていたのではないでしょうか。


入野:監督からは小さな積み重ねを大事にしていきたいという話があった(大きな事件が起きるのは硝子の自殺未遂ぐらい)。そうやって少しずつ積み重ねていった結果溢れ出たのがラストの涙。
山田:あそこ笑い声も入ってなかった?
入野:将也自身になりきって声を当てた。あれ、何で泣いてるんだろうってところから始まって、恥ずかしいなとか、泣いてる自分が笑えてきたりとか、でもそれ以上に泣かずにはいられない感情が湧いてくるような。
幸せで幸せで泣くっていうのは素晴らしいこと。


山田:散歩中に、会社の近くの川辺でラストのシーンを掴んだ。
音楽の牛尾さんはラストの曲がなかなかできず悩んでいたが、京都に来た折にその場所に連れて行ったところ、泣き出してしまった。牛尾さんもその場所でこれは将也の物語でいいんだと悟った様子だった。


入野:永束くんは人気キャラ。
山田:原画家の間ではベテランも含め誰が描くかで奪い合いになった。
入野:永束役の小野賢章とは同じ劇団にいたが時期がズレていて、知ってはいたが話したことはなかった。
別の作品で一緒になってから親しくなった。向こうが後輩なので気楽に付き合える。
山田:アニメじゃ永束くんの方が偉そうだから、そこは逆なんだ。
入野:演ずるうえで、アニメっぽくない、今喋ってるような自然さを重視した。
そうすると、何かを伝えることとの間でバランスをとるのが難しい。
賢章の役はああいうキャラなのでそのへん自分以上に苦労したのではないか。


山田:硝子役の早見さんには、硝子は生きていくうえでの頑固さ、したたかさのようなものを持っていること、悩むなかでつくってしまった作り笑いはあるけれど根は強い子なのだということ、ただ微笑んでいるだけの子ではないんだということを伝えた。
入野:硝子を演じるにあたって、早見さんは手話を習いに行っていた。
最初はどんなものなのかなという興味だったんだろうけれど、最後は友達と会って話しに行くような感覚で通っていた。
早見さんの温かな人柄が窺える。

入野&山田:早見さんは何と祖父が大垣出身らしい。それも先祖10代続く生粋の大垣人だとか。
今日舞台挨拶に行きたいけど行けなくて、みたいな手紙をいただいて、それに書いてあった。
こんな形で伝えるのではなく、ご自分でどこかの舞台挨拶で明かしていただければよかったのに、もったいないですよね。


入野:作品のもつパワーが凄かった。それに引っ張られる形で、作る側も妥協したくないという気持ちが強くなった。
山田:この作品にどう向き合えばいいのかという純粋な気持ちで映画を作ることができた。