今日のことだが、某JR線の車内でカタワが大声を出していた。
歩き方が出来の悪いロボットのようで、見るからにカタワだとわかった。
そのカタワが言うには、カタワ様が電車に乗ってきたのだから健常者は席を譲れと言っているようだ。
しかし、そのカタワは歩き方こそコント級だったのだが、立っているには問題が無いように思えた。
吊り革もいくつも空いていた。
もちろん誰も席を譲らなかった。
カタワは大声を出し続けていたが、ガタイのいいサラリーマン風の男に睨まれると急に静かになった。
そしてそのカタワが電車を降りるとき、カタワは人混みに押されてホームに倒れ込んだ。
誰もカタワを助けなかった。
もちろん俺も助けなかった。
電車から降りる人が一通り降り終わると、今度はホームにいた人が倒れたカタワをまたいで電車に乗り込んだ。
その姿は本当に哀れで惨めだった。
『弱い犬ほどよく吠える。』という言葉よろしくよく吠える弱いカタワだった。