いろいろ面白いレスがあったので高畑のインタビューを思い出した
一部抜粋して関連する部分を整理した
高畑は西洋と日本の複眼的な視点をもってるから
どちらかの極に還元してしまうと読み誤る

高畑勲「日本人だからできること。」2004.8.6
http://www.1101.com/ghibli/2004-08-06.html

日本のことだって、なんにも知らないし、
ちゃんと調べてつくればおもしろいにきまっているのに。
どうして西洋の原作をもとにした作品ばかりをつくらなければならないのか?
そのことが、すごく疑問になっていったんです。

ぼくは、世代のせいもあって「西洋かぶれ」ですし、
「西洋というのはやはり、非常に学ぶことの多いおもしろい、大きな相手だ」
と、今でも思っています。
日本のかなりの人が、日本のことより西洋のことのほうが詳しいんじゃないでしょうか。

日本の文化や生活は、もうちょっとゴチャゴチャしていて、捉えることがむずかしいのですが、
その暮らしかたに、西洋の論理を学んだ時代の日本人が光を当てれば、
押し寄せてくる複雑さを、それなりに整理することになる。
そのことは非常におもしろいんです。

つまり、学んだ西洋を、そのまま日本にもちこもうとするのではなくて、
西洋に学んだ合理主義の精神を生かして、その合理主義によって眺めてみれば、
古くからの日本でおこなわれてきたことにはそれなりの理由があるだろう、
という整理のしかたなのです。

絵巻みたいなものこそ、いかにも日本人的な「日本の文化のおもしろさ」だと思います。
いまぼくはそれを人に知らせたいし、そのおもしろさを積極的に世界に知らせても
いいのではないだろうか、と……。

ぼくが日本の文化がおもしろいと言うのは、今の政治家が叫んでいる、
いわゆる「愛国心」とは、まるで違うことだと思うんです。

国家へみんなを集中させようとする愛国心には大反対ですが、
日本列島に住んでいた人間が何を考え何をやってきたのかを知ることは、
自分たちのルーツを自覚することにもつながるからおもしろいと思っているわけです。

日本文化のおもしろさやすぐれた点を知ると、
おそらく放っておいても日本を愛するようになるはずです。