ユキノ、裸足で玄関を出てタカオを追いかける。
踊り場で雨の景色を見つめているタカオがゆっくりと振り向く。

「ユキノさん・・さっきのは忘れてください。
 俺、やっぱりあなたのこと嫌いです。」

哀しそうな表情で瞳の潤むユキノ。

「最初からあなたは、何だか・・クッ・・イヤな人でした。」
「朝っぱらからビール飲んで、訳の分からない短歌なんかふっかけてきて・・」
「自分のことは何にも話さないくせに、人の話ばっか聞き出して!」
「俺のこと 生徒だって知ってたんですよね!?
 汚いですよそんなのって・・」
「あんたが教師だって知ってたら、俺は靴のことなんてしゃべらなかった!」
「どうせ出来っこない。叶いっこないって思われるから!」
「どうしてあんたはそう言わなかったんですか!
 子供の言うことだって、適当に付き合えばいいと思ってた!?」
「俺が何かに、誰かに憧れたって、そんなの届きっこない!
 叶うわけないって、あんたは最初から分かってたんだ!」
「だったら ちゃんと言ってくれよ!!邪魔だって、ガキは学校に行けって!俺のこと嫌いだって!」

ユキノ、泣きながら左右に顔を振る。

「あんたは、あんたは一生ずっとそうやって!
 大事な言葉は絶対に言わないで!自分は関係ないって顔して!」
「ずっと1人で!―― 生きてくんだ!!」

駆け出しタカオに抱き付くと、号泣するユキノ

「毎朝・・毎朝ちゃんとスーツ着て、学校に行こうとしてたの・・」
「でも怖くって・・どうしても行けなくて・・
 あの場所で・・わたし・・
 あなたに・・救われてたの!・・」

泣きながら抱き合う二人
エンディング曲、歌が始まる

 言葉にできず 凍えたままで
 人前ではやさしく 生きていた――