何度も言うけど知識人の間では常識だった「ロリータ・コンプレックス」は実のところ
いまだに日本人には完全に認識されてない。「負のイメージの是正」なんてどこにも
存在してないんだよ、カリ城周辺の時代には。
そして79年の普通のアニオタは当然のことながら「ロリコン」なんて言葉を知らないw
当然、「負のイメージ」なんか持ちようがない。

カリ城が広めたのは、それまでロボットアニメなんかを媒介に「ファン」にもてはやされていた
「戦うヒロイン」とはちょっと違う「可憐な」女の子を愛らしいと思うことの免罪符といってまあ
いいとは思う。それは一重に、もあてんに選ばれたりしてちょっと世間に通じると思われた
作品の力なのだけど、たとえば漫画界がスポ根ものから一気にあだち充に代表される
ラブコメ全盛に切り替わっていくように、世の中全体が「身近なやさしさ」を称揚することを
公然と行えるようになってきた時代の空気も関わってたのもまあ間違いないでしょ。

そんな中で、アニメック(当時この雑誌の濃いアニオタへの影響力は計り知れなかった。
ダイコンアニメの紹介で岡田らをアニオタに知らしめたのもこの頃だったな)が、クラリスを
前面に押し出して「ロリコン特集」を組んだ。内容はナボコフやルイス・キャロルから説き起こす
まじめな部分もあったのだけど、いかんせんアニメファンには「クラリスみたいなものを愛好する心」
を「ロリコン」という言葉で認識してしまった部分が大きかった。和製英語は元の言葉と必ず
意味が変わるっていう歴史の系譜なんだけど、とにかく今まで「ロリータ・コンプレックス」
なんて高尚なwものと縁のなかったアニメファンは「俺はロリコンだ」という言葉で、可憐な
症状を愛好する自分を規定するっていう形で「ロリコン」という言葉を身につけちゃったんだよ。