>>751
貴樹のキスした後のセリフの抜粋

その瞬間、永遠とか心とか魂とかいうものが、どこにあるのか、わかった気がした。
13年間生きてきたことの全てを分かち合えたように僕は思い、
それから次の瞬間・・・、たまらなく悲しくなった。
明里のそのぬくもりを、その魂を、どのように扱えばいいのかどこにもって行けばいいのか。
それが僕にはわからなかったからだ。
僕たちはこの先もずっと一緒に居ることは出来ないと、はっきりとわかった。
僕たちの前にはいまだ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間が、どうしようもなく横たわっていた。
でも、僕を捕らえたその不安は、やがてゆるやかに溶けていき、後には明里のやわらかな唇だけが残っていた。

明里への手紙を失くしてしまったことを、僕は明里にはいわなかった。
あのキスの前と後とでは、世界の何もかも変わってしまったような気がしたからだ。
彼女を守れるだけの力が欲しいと、強く思った。
それだけを考えながら僕はいつまでも、窓の景色をいつまでも見つめ続けた。