文通をやめたのは貴樹からのような気がする。
中学に入ってサッカー始めて、高校でも熱心に弓道に励み、
教育環境では明らかに劣る種子島から東京のそこそこレベル高そうな大学行くほど勉強して、
スポーツと勉強に打ち込んで、時間が無くなったのか本を読まなくなった貴樹と、
バスケをやってはいても、本を読む習慣は無くならずに大人になっても本を読み続けた貴樹では、
生きる世界が違い過ぎて、次第に手紙の内容がかみあわなくなっていったのではないか?
明里から手紙が来ても、かみ合わない手紙を出すことに時間使ってられなくて、
返事が遅れがちになって、明里もあまり手紙を出さなくなって、
いつの間にか貴樹が返事しなくなったような気がする。
もともと本が好きで気が合うという共通項で仲良くなった二人だから、
それが失われたら、文通を続ける理由が無くなったのだろう。
貴樹はずっと明里を好きだったんじゃなくて、気持ちは薄れていたけど、
桜花賞で描かれた思い出だけは生きてて、思い出に執着してたんだと思う。