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のび太の結婚披露宴

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000112010/02/11(木) 19:13:59ID:dN3oRpHd
僕は二十五歳になった。二ヵ月後には結婚する。
ずっと憧れ続けてきた大好きなしずかちゃんと。
結婚が決まってから僕たちは色々な準備に追われていた。
彼女の両親への挨拶にはじまり、結婚式の式場やら、
引き出物やら、招待客、スピーチをお願いする人を決めていっていた。

僕は段取りが悪いのでほとんど彼女がしてくれた。引き出物はティファールだの
引き菓子は三笠とかなんとか正直僕はそういう耳慣れない言葉の羅列で
頭がパンクしていたけれど、もうあとは招待状をだすだけのところまできていた。
000212010/02/11(木) 19:14:51ID:dN3oRpHd
まっさきに浮かぶ、ジャイアンだろ、スネ夫だろ、出木杉に、
小学校の担任の先生にと招待リストを挙げていく。

初め、パソコンでプリントしてくれるのですかと訊いたら、母さんが
これだけは手書きで書くものなのよと言った。式場の人にも確認すると
そうですねと言う。僕は結婚式の招待状の宛て名は手書きで書くことを初めて知った。

はっきり言うと僕の字は大人になってもうまくはない。それに未だに誤字がある。
そのことを伝えると、手書きをする係りがいますからと言われてほっとした。

しずかちゃん、彼女の分と共通の友人は彼女自身が書くということで僕の親戚と
僕の友人は係りの人に任せることにした。僕はリストを出して父さんと母さんに
確認してもらい、係りの人に渡した。そこではっと気づいた。
000312010/02/11(木) 19:15:56ID:dN3oRpHd
僕には絶対に出さなければならない人がいることに。こちらで全部ですねと
確認されて僕はあと一枚お願いしますと言おうとしたが出しても届かない
相手なので押し黙った。ぼくのあたふたした様子をしずかちゃんにみられた。
少し恥ずかしかったので口がきけなかった。

ドラえもんへの招待状。ぼくのいちばんのともだち。しん友のドラえもん。
000412010/02/11(木) 19:17:38ID:dN3oRpHd
ドラえもんとは小学校の終わりと共にお別れをした。どんな理由だったか
そんなことは覚えてない。大事なことはドラえもんと別れのときがきたと
いうこと。そのとき大変なショックを受けたが、僕は受け入れる力を身に
つけていた。

僕は涙を流し、ドラえもんも涙を流していた。僕の身長は伸びていてドラえもんの
背をだいぶおいこしていた。初めてあったころは同じくらいだったのに、
いっしょにせいくらべした柱の傷やら、ずいぶん傷んで少し小さく見える
ランドセルをみかえすと確実に時間はすぎていることを実感した。
000512010/02/11(木) 19:19:02ID:dN3oRpHd
秘密道具もタイムマシンもない今、僕がドラえもんにあう方法はない。
けれど僕は自分の結婚式に少年時代の僕たちが来ることは知っている。
000612010/02/11(木) 19:19:56ID:dN3oRpHd
だからもしかしたらドラえもんの方から僕に声をかけてくれるんじゃないかと
期待をしている。

ドラえもんは友情にあついやつだ。絶対声をかけてくれる。
000712010/02/11(木) 19:21:31ID:dN3oRpHd
その瞬間を心が震えるほど待ち望んでいた。
000812010/02/11(木) 19:22:20ID:dN3oRpHd
しかしながら僕は少年時代に自分の結婚式を見に来ていたときのことを
すっかり忘れていた。
000912010/02/11(木) 19:23:20ID:dN3oRpHd
そんなことを考えている間にも招待状の出欠が返ってきていた。
それで席を決めることになった。

僕は主賓の友人席にドラえもんに座ってもらいたい、ドラえもんにスピーチを
お願いしたいと思いつつそれはかなわない現実をつきつけられた。
001012010/02/11(木) 19:24:32ID:dN3oRpHd
そもそも招待状さえだせないのだ。すると一通のお便りが届いた。
001112010/02/11(木) 19:28:29ID:dN3oRpHd
東京都練馬区…うちの住所だ。宛名をみてもっとびっくりした。

「野比様方 ドラえもん 様」と書かれた招待状が僕としずかちゃんの連名で

届いたのだ。

送り主はわかっていた。
001212010/02/11(木) 19:29:55ID:dN3oRpHd
彼女は僕の気持ちをやはり一番理解してくれていた。けれどどうすることもできない。

僕はその招待状を机の上に置くと、押し殺していた感情が吹き上げた。

「なぜキミはいないんだ、しずちゃんだってこんなに気にかけてくれているんだぞ」
と机をバンと叩いた。

顔に熱いものが伝った。喉の奥が震えるほど熱くなった。

それからゆっくり手を見ると真っ赤だった。それで少し気が治まった。
001312010/02/11(木) 19:31:05ID:dN3oRpHd
翌日僕は彼女に礼を言った。

「のび太さん、わたしにとってもドラちゃんは大事な」

「それ以上は言わなくていい、ありがとう」と言った。

僕はほかに来た返信ハガキにそれをまぜておいた。
001412010/02/11(木) 19:32:06ID:dN3oRpHd
後日顔合わせのとき一緒にいた母さんは返信ハガキをみていた。

「あら、ドラちゃんにも招待状を贈ってくれたのね。しずかさん。」
と母さんが言った。僕ははっとしてそれをとりあげようとしたら母さんは続けた。
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