>>27
「それとはまた別の話ですが、涼宮さんが見たという 幻 の女の正体も今なら解りますよ」

 誰だ。俺を突き落としたのは。

「長門さんです」

 おかしいことを言う。その時、長門はお前たちと階段を下りている最中だったんじゃなかったか? 俺が最後尾だったと聞いたが。

「ええ、僕たちの記憶ではそうなっています。長門さんがあなたの背を直接押したわけではありません。
ですが、あなたが昏睡するという歴史を作り出したのは長門さんです。涼宮さんは無意識のうちに気づいたんでしょう。
もちろん長門さんだと解ったはずはありませんし、事実として犯人はいなかった。それでも涼宮さんには解ったんです。
こうなったのは誰かがそうしたからであり、どこかに犯人がいると」

 古泉は明るい笑みを見せた。

「その直感が謎の女生徒の姿を生み出したんです。存在するはずのない幻の女をね」

 そこまで行くともう勘ではすまされないな。長門主導の世界再改変、長門はいくらでも都合よく記憶を捏造できたはずだ。
なのにハルヒは何かがおかしいことをその時点で気づいたわけだ。誰かが何かをしている、あるいは、した。

「仮説ですよ。あなたの疑問に答えようとする試みから生まれた思考実験です」