何でなのか?っていうのは、ごく近いとこでは長部日出雄が「紙ヒコーキ通信」で
詳述してるけど、要するに外国人ってのは日常生活が他人の目を意識した芝居
みたいなもので、だから逆に「日常的な自然な演技」ってものもサラッとこなせる。

ところが他人といつも一緒の日本人ってのは、人目を意識して「演技」しようとすると
慣れないもので、やたら意識過剰で大仰な演技になってた。とにかく力みかえって
金切り声あげたり、かわいらしさを出そうとしても下心見え見えの嫌らしい態度に
なったりする。一番ヘタなのが「自然な演技」ってやつだと言われちゃう。

ところがやたら大仰な声を張り上げる兵隊と、過剰な媚びを振りまいて嫌らしさを
全開にする女郎(娼婦)だけは日本人俳優にぴったりだった。どちらも無表情な
日本人には珍しい、「他人の目を意識するあまり笑えるような意識過剰の大芝居」
になっている所作態度のタイプだからだ、と言われていたんだよ。