この夏、数本のホラー作品以上の恐怖を感じた映画は「サマーウォーズ」だ。
スタジオジブリ出身の武重洋二が描く柔らかくて平和な絵柄に騙されてはならない(訳注:武重洋二は美術監督ですが)。
主人公・健二の正直さと明晰さ、夏希の明るさ、おばあさんのカリスマ、侘助の素敵な声など、魅力あふれるキャラクターたちにも簡単に魅了されてはならない。
緊張感あふれる花札シーンに手に汗を握ってはならないし、意外な感動に目頭を熱くしてもいけない。
また、同時代的でありながら未来的な素材、ヒューマニズムを暖かく感性的に具現した主題にも、容易に感動してはいけない。
南米の文化評論家や社会学者がディズニー映画の不遜な意図を暴くように精巧に論ずる知識など私には無いので、あまり詮索しないでほしい。
確実なことは、サマーウォーズを見るとどういうわけか不愉快な気分になるということだ。
由緒ある家らしく危機的状況には最高のチームワークで全員が固く団結する27人の大家族と、電話一本で重大事を解決するおばあさん、
派手な花札賭博で敵を制圧する姿は、日本的な価値と伝統に対する自画自賛が感じられて不快だった。
自分たちどうしで気勢を上げる雰囲気とでも言おうか。そのうえ、問題の元凶が米国だという点も感情的で故意的な設定のように見えたし、
庶子の侘助が恩を仇で返した奴である点も、はなはだしい嫡統主義を連想させた。
デジタルの弊害をアナログ的に解決するのは人間的だが、右傾化が深刻化して伝統に命を賭ける日本の価値指向に合う話でもある。
すでにサマーウォーズに関しては「コメントウォーズ」と言われるほど、作品に関する論争がほとんど戦争水準なので、
疑いから始まったこの文が新たな火種を投げた格好になるかも知れない。
その上、疑いに関する説明として並べた話が心証ばかりなので、攻撃を受けやすい。
しかし時には、確実な証拠を前にしても疑いが解消できないことがあるが、それと同じだ。
よく作られた愉快なアニメーション「サマーウォーズ」を褒めるには、今なお歴史歪曲を日常茶飯事のように行なって、
自分には誤りが無いと強弁する日本で作られた日本製だという事実が、どうしても気がかりだ。
中央日報
http://news.joins.com/article/929/3759929.html?ctg=15