まさにその瞬間、
「あれ?な、なんだよ?」
みんなの動きが止まった。
「ねえ、みんな!ねえ、じいちゃん!」
自分以外はモノトーンの空間の中で止まっている。
(…?俺、どうしちゃったの?)

ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン!!
空気の渦が音を立てて恭介を包む。
止まっているみんなの姿が捻じれるように流れていく。
(みんな!…ねえってば…!)

しばらくして…
(……?)
重たい瞼を開くと、暮れなずむ青空に星が輝いている。
ふと気付いて身を起こすと目の前には夕陽の名残で輝く海が…。
振り返ると、メインストリートに松明が灯っている。
(あれ?ここは…!)
そう、『あの日』時間の歪みを生んだ場所。
恭介は立ち上がり辺りを見回すが、あの時と同じ。
夕暮れの浜辺には、数組のカップルがいる以外は
ストリートの方で喧騒が聞こえているだけ。
(じいちゃん…親父…)
誰も居ない。
(何でここなんだよ?)
迷路に放り出されたらしいことは解ったけれど…
(オレ、どうなったんだよ?…どうすりゃいいんだよ…)
途方に暮れ、力無くその場にまた座り込んでしまった。