人間にも動物にも味方せず、両者の上に君臨しようと暗躍する悪のヒロイン、ビクトリアがかっこいい
しんのすけよりも悪役の方が目立った作品という意味では、非常に印象深いし、
人間の悪の心と限りないエゴイズムの方が動物の凶暴さに勝っているという部分が、
人間の持つ恐ろしさというものを出しているように思えます。ビクトリアの美しくかつ、狡猾な部分が、
外観は美しくても、中身が醜いという人間の性とエゴという部分で教訓的なものがあります。
実際、スケッベのような動物人間はいなくても、ビクトリアのような輩はこの現実にいるのでしょうから。

そして、ビクトリアにも因果応報という形で最終的に破局が訪れるというのは、監督のシニカルさと、「悪運強い悪人も最後には・・・」という部分が出ているし、そうでないと話にならなかったと思います
さらに、自然を破壊する人間達と、その人間達に取って代わろうとする動物人間達にもそれぞれ思惑やエゴが多く出ているし、
また、迫害と弾圧の連鎖というのも、人間のエゴ感情から出てくるのでしょうし、教訓的な意味では、非常に印象に残ったといえました。
しかし、他のクレしん作品に触れていた部分と、本作よりも面白いクレしん作品があったようにも思えるし、
そういった意味では、本作は比較的触れるのが遅かったのもあったのですが、原監督の作品に比べて、凄く・・・というものでも無かった感もあります。
もし、本作の方をもっと早くに見ていれば、他の作品にしろ、本作にしろ、もう少し評価も変わったかも知れません。