「お前らの作品は所詮コピーだ」――富野由悠季さん、プロ論を語る

 僕の場合はおもちゃ屋のスポンサー(バンダイ)がいて、安彦(良和)くんというキャラ
 デザイナーがいて、大河原邦男というメカデザイナーがいて、その出会いを許してくれる
 制作会社というプロダクションがあったから。漫画家主宰の虫プロダクションのような所なら
 この出会いはなかったでしょう。そういう基盤になってるものとの出会いが絶対必要です。

 宮崎駿は1人だったらオスカーなんか絶対取れませんよ。個人的に知っているから
 言えるんですが。彼は鈴木敏夫と組んだからオスカーが取れた。組んだ瞬間僕は
 「絶対半年後に別れる。こんな違うのにうまくいくわけがない」と思いました。知ってる人は
 みんなそう思ったんです。

 それがこういう結果になったということは、あの2人が半分は自分を殺して半分は相手の
 話を聞いたんです。みなさん方も、お前ら1人ずつじゃろくなもの作れないんだから
 最低2人、できれば3人か4人。スタジオワークをやる気分になってごらん。そしたら
 あなたの能力は倍、3倍になるはずだから。オスカー取りに行けるよ、という見本を
 スタジオジブリがやってくれているんです。

 当事者はそういう言い方しないから脇で僕がこう言うしかない。宮崎さんが公衆の面前で
 「鈴木がいてくれて助かったんだよね」と本人は絶対言いません。どう考えてもあの人、
 1人では何もできなかったんです。「ルパン三世」レベルでおしまいだったかもしれない。
 本人に言ってもいいです、知り合いだから。

 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/31/news118.html