【押井守】スカイ・クロラ【森博嗣】 Part11
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0892超夢銀漢王
2008/09/02(火) 05:21:26ID:S9hYGXoh押「この映画では、水素は風子と対で描いています。
例えば水素と風子は男を共有している。そのあたりから、二人は似た者同士、ペア
だと考えた。
このように、キャラは単一で表現するのではなく、他のキャラクターを使って表現
するんです。
そして二人をペアと考えた上で、二人に共通する表現をたくさん用意した。
例えば風子がサングラスをかけると水素が外すとか。二人の部屋に飾ってある
インテリアが同じであるとか、そういったディテールの積み重ねですね。
そうしてみると、ユーヒチは、自分では気がついていないんですが分身の間を行ったり
来たりしていることになるんです。
こういうのはアニメーションでしか出来ない演出なんだと思います。絵を自分で全て
描くからこそできる。
絵だけじゃなく、同じように音による仕掛けもしている。
どこで同じ音を使うか。同じドアの音をどこで鳴らすか。そういったところで同じ
シチュエーションであることを表現する。
こういった仕掛けというのは、観終わった人は誰も気づかないと思うんですけど。
あとはティーチャーというキャラクターがいますが、このキャラは劇中では足しか
出てこない。だけども、他のカットではたくさん出している。ただそのキャラが
ティーチャーだとは一言も言っていない。
それとは逆に、絶えず登場しているんだけれども誰にも語られない人物というのも
設定してみたりする。
今回の作品では犬がそれに当たる。
作中で犬をかまうのは端季と笹倉だけで他のキャラは相手にしていない。
あの犬は誰なんだろう、ということなんですが。
犬については今回、今までの作品とは違う使い方をしている。
あの犬はいつも何かを見ているんだけれども、あれは、誰かの魂が帰って来ている
のを観ているんです。
つまり見方によっては、登場人物を死なせる役だとも言える。
こういった仕掛けをするのは監督自身の楽しみで、他にも20も30も仕掛けている。
こういう仕掛けをすることで、スタッフの無意識をより合わせて、一つの作品に
している。
なので、ただ好きだからその場面を入れているというのは映画ではありえないです。
そこには必ず意味がある。
そういった仕掛けというのは、観ている側は気がつかないだろうけど、何となく
感じ取ってもらいたい。
仕掛けている中で5つか6つ気づいてもらえればそれでいいんです。
気づいてもらえることで印象として必ず違ってくる。
ドライブインの老人は、原作では喋ったりもしているんですが、この映画では全く
動かさないことに決めました。
そうすると、スタッフはこの老人について色々聞いてくるんだけれども、それにも
一切答えないです。
本当は、マスターとの関係についてであるとか、設定してあることもあるんだけど
一切語らない。
そうすると、スタッフの間では「あの老人がティーチャーだ」みたいな話が出て
くるんですね。実際は違うんですけど。
映画だと、時間がたっぷりあるんで、気に入った思いつきは全て入れるようにしてます。
今日これだけ喋ったけれども、肝心なことは何も言ってないですよ(笑)」
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