これは光と影の現実風景と音楽で彩った、恋愛の物語の断片。
いうならば詩と物語の合間に似た、恋愛感情を根底に歌われた短歌に手触りが似ている。
現代で消費されている演歌、失恋ソングと同じような物だ。ただ、1話は普通の恋愛歌か。
難解で哲学的な純文学・芸術映画より、よっぽど大衆向けの易しい代物だろう。
前2作、特に前作は物語としての面白さと並立させようとしていたのに対して
秒速5センチメートルは物語の舞台・登場人物の作り込みを放棄して洗練されたと言える。

「物語として不足」の批判は根本的にずれた批判と言わざるを得ない。