貴樹の幸せの尺度は、きっと世論的な場所にはない。
社会的には会社から独立してフリーでも食べて行ける場所に立った。
踏切での再会で明里への気持ちを自分の一部として落ち着けることも出来た。
リサからもらったメールで、(皮肉ではあっても)負の感情が持つ独特の前向きな力を得た。
感情が強く残る思い出を、本当に心から自分の一部とすることは容易じゃない。
仕事を辞めるほどに追い込んだ気持ちと同じように、越えた先に待つ成長のプロセスをただ単純に踏んだだけ。
後向きに考える要素は作品のどこにも見つからない。